アコースティック・ギターリストの矢野サトシです。
『Left-Hand Fingering Method』①~③までご紹介してきましたが、
左手運指のお役に立てましたでしょうか。
このシリーズのテーマは、
「コードチェンジをする際に特定の指をフレットから離さずに(キープしたまま)次のフォームに変えること」
これを実際にやってみると、意外と難しく感じられた方もいらっしゃったのではと思われます。
ただ左手の指の動きの分離がそれぞれ出来てくると、
ギターの演奏において様々な表現力が増すことは間違いありません。
ということで今日は、このシリーズ最終回の第4弾をお届けしたいと思います。
最終回ということで若干難易度は上がるかと思いますが、ぜひお手元のギターを手にしてチャレンジしてみて下さい。
それでは今回のフレーズを楽譜にしてみました。
キープする指をそれぞれゾーンに分けて記しています。
【※注】コードダイヤグラムの表記において
・R印はそのコードのルート音となる弦です。
・●印はオンコードのベース音となる弦です。
最初の2小節は薬指をキープしたままフォームチェンジをしてみましょう。
1小節目のG ⇒ D/Gの動きが難しく感じられる方は、決して焦らずにゆっくり目のテンポで移動してみて下さい。
「中指を動かしているつもりが薬指が動いてた」というように、初めは自分の指でないような感覚もあるかもしれません。
慣れるまでは、薬指キープの状態で
「人差し指 ⇒ 中指 ⇒ 小指」
と順番にそれぞれの指の感覚を確かめるように動かしてみると、段々とマスター出来るかと思います。
3小節目は、フレットの裏でネックを支えている親指の位置も重要です。親指が1フレットの裏あたりにある場合、フレットを押さえている小指が遠く感じられて離れてしまうことが多々あります。その場合は親指を2フレット目の裏あたりにポジショニングしてみるとかなり楽に感じられると思います。
3小節目のC ⇒ 4小節目のAm7/Dにかけては、②のゾーンでの小指に加えて人差し指もキープさせます。
②と同じように裏側の親指の位置も意識しましょう。
③での人差し指に加えて中指キープになります。
②~④にかけては2拍ごとに重なるようにキープする指が変わりますので、ひとつずつ丁寧に練習してみましょう。
ここでは1小節目のG ⇒ D/Gの動きに似ていますが、薬指と小指の縦の距離感が結構変わります。
この距離感の違いに慣れてみて下さい。
ある意味この⑥のゾーンが一番難関かもしれません。
特にD/C ⇒ Bm7へのコードチェンジ。
この2つのコードにおける薬指と小指の位置関係と距離感、全く変わっていることに気付いて頂けると思います。
ここで出て来るような「薬指と小指の運指の分離」がギターの上達への近道のひとつと言っても過言ではありません。
ぜひコードチェンジの流れの中でのこの指の動かし方をご自身のテクニックのひきだしとして慣れてみて下さい。
②、③と同じように裏側の親指の位置も意識すればさほど難しくは感じられないかと思います。
最初は予測の付きにくいコードチェンジかと思いますが、キープした状態で
「人差し指 ⇒ 薬指」
の順番で動かしてみて下さい。
段々とその感覚に慣れてくるかと思います。
いかがでしたでしょうか。
弾き語りやフィンガーピッキングでのインストなど様々なシチュエーションでお役に立てて頂ければ幸いです。
【Information】
矢野サトシ・アコースティックギター・レッスン、各教室で体験レッスン随時受付中です!