こんにちは、アコースティック・ギターリストの矢野サトシです。
今日のコラムはオープンチューニングについて。
近年のアコースティックギター・ミュージックは、ギターインストのみならず弾き語りにおいてもオープンチューニングが多用される時代になりましたね。
僕も長年ギター・ミュージックに携わっていますが、現在はオープンチューニングに関する楽譜や書物もかなり出版されていて、昔に比べると敷居もかなり低くなってきたようにも感じています。
という訳で、今日はその中でもポピュラーな『DADGADチューニング』についてご紹介してみようかなと思います。
『DADGADチューニング』と聞いて真っ先に浮かぶミュージシャンはフランスのギターリスト、ピエール・ベンスーザンさん。
このチューニングを自由自在に操る、まるでレギュラーチューニングで弾いているかのように演奏されるギターリストですね。
またアイリッシュ、ブリティッシュフォーク系においてもこれを多用するミュージシャンが数多くいらっしゃいます。
ブリティッシュフォーク界の巨人デイビー・グレアムさん、またペンタングルのギターリストとしても活躍されたバート・ヤンシュさんも有名どころで数え上げれば限りありません。
さてそれでは、今日の本題。
まずその根本となる開放弦でのチューニングはどうなっているのでしょうか?
『DADGADチューニング』と名付けられている通り6弦からの音名がそのまま並べられています。
判りやすいですね。
レギュラーチューニングとの違いについて纏めてみました。
3,4,5弦はレギュラーと同じ、1,2,6弦を通常より1音下げればチューニング出来ることが判りますね。
近年では比較的安価で精度の良いチューニングメーターも市販されているので、初めての方でも簡単にチューニング出来るのではと思います。
またご自身の耳でチューニングするのであれば、5弦/A(ラ)の音を基準として、以下の図のそれぞれ矢印で結んだポジションが同じ音になるように合わせればOKです。ハーモニクスのポジションを覚えることも出来るので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さいね。
今日のコラムの終わりにスケールポジションを載せておきたいと思います。
『DADGADチューニング』は開放弦が『Dsus4』の和音になっているので、今回はその入り口として『Key=D』のスケールで表記してみました。
ぜひ一度お手元にあるギターで『DADGADチューニング』の響きを楽しんでみて下さいね。